The Decisive Strike

Pulvis et umbra sumus.

Splathon Ladder #1 について

本記事は Splathon Advent Calendar の23日目として意図されていたものである。スプラトゥーンやスプラソンに興味が無い方はスキップすることをおすすめする。祖父の逝去のためバタバタしており日付に間に合うようには執筆ができなかったが、1週間遅れで書く。

今年とある社会人スプラトゥーンコミュニティで番付式の長期リーグトーナメントを開催したので、それについて書こうと思う。

スプラトゥーンは最高にイカしたゲームであり、それをプレイするのは義務である。何、スプラトゥーンを持っていないだと?市民よ、すぐにゲオに行きニンテンドースイッチスプラトゥーンをセットで買ってきなさい、PayPayのキャンペーンが終わらないうちに。そうすることでハイカラスクエアに奉仕するのです。いいですね、市民?ナワバリバトルは義務です。

スプラソン、通称「村」はハイカラスクエアの地下でひっそりと活動する秘密結社である。そこでは既に就職して日中仕事をしているはずの社会イカたちが時間に関係なくガチマッチに励んでいるという。課長、今日は体調が悪いのでアルバイト・フロム・ホームしますね。

元来企業対抗で行うオフライン大会が主体であったスプラソンだが、オフライン大会の開催間隔はそう頻繁ではなかった。2018年半ばの時点ではオンライン大会である Splathon Online League が始動していたのだが、これはあくまで個人参加で行われる大会であったため、企業対抗という色はなかった。またコミュニティのスラックに開かれた boshu チャンネルでは毎日のようにプライベートマッチやリーグマッチの募集がかかっていたが、これらも皆個人参加の企画であって、スプラソン本来の趣旨であった「企業対抗トーナメント」という趣旨のオンラインイベントは存在していなかった。

しかし個人的にはスプラソンのコア・バリューはこの「企業対抗」という点にあると考えた。大人のゆるふわスプラトゥーンコミュニティ、というバリューの出し方をするには、少しメンバーの力量がガチよりすぎた。このコミュニティをより盛り上がるものにするには、やはり、このコア・バリューに即した企画が必要であろうというのがわたしの考えであった。

そこで考えたのが番付式の企業対抗トーナメントである。もともとわたしはアメリカ在住の日本人で結成されたチームでラダートーナメントに出ていたのだが、この形式が大変良かった。ある程度同じくらいの力量のチームとマッチングが発生するためよい練習になるし、同じメンバーで長期間戦うことで一体感も芽生えてくる。これをパク、ではなく参考にして、企業を主体としたチームを結成し、長期間の間リーグを戦うような大会をホストすれば楽しいのではないか、というのが2018年初夏の思いつきであった。

思いついたときがやりどき、ということで早速企画を始め、8月頭から10月末まで3ヶ月6ラウンドに渡る長期の大会をホストした。ルールを書き、マッチングのロジックを作り、リーダー同士の連絡用チャンネルを作り、毎ラウンド各チームのチャレンジ希望順に基づいてマッチを確定させ、告知文を考えて推敲し、配信をお願いし、勝敗をログしてランキングをアップデートして…という様々な作業をこなしていった。最終的には自動的にマッチを確定させるためのリゾルバも golang で書いた。自分のプレイヤーとして参加していたため、大変なところもあったが、本当にやってよかったと思っている。

当然ながら一人ではやりきれなかった。元来ADHDであまり作業効率の宜しくない自分が無事に運営として3ヶ月間乗り切れたのは、ひとえに運営メンバーの皆さんのおかげである。また配信ボランティアをしてくれた方々がいたからこそここまで大会が盛り上がったと言えよう。皆の全てにマジ感謝、YO。

最終的に25チームが参戦した実際の大会の様子がどうだったかという点については、あえてわたしが付け加えることもあるまい。様々な方による振り返り記事や、ta氏による中位以下振り返り動画、そして何よりも、128本の動画が詰め込まれた大会の全試合プレイリストが、その盛り上がりを語ってくれている。勝つチームがあれば当然負けるチームがあり、都落ちがあればジャイアント・キリングがあり、喜びと悲しみと、笑いと涙が入り乱れた3ヶ月間であった。

最終的には企画の趣旨に沿うよいイベントであったと考えている。企業間の対抗戦は大いに盛り上がり、部活動的に楽しむ方々が多く見られた。上位勢はある程度安定していてあまり動かなかったが、中位以下はかなりの変動があり、成長があり、挑戦があったと思う。選手の皆さんに楽しんでいただくことができれば、それが運営として一番の光栄である。

もちろん反省点もある。次に向けて運営としてのTODOはいくつかあるが、ひとつは賛否が大きく別れたFAルールの見直し、そして運営の全体的負担を減らすこと。リゾルバはもう書いたので、サーバー側全部書いてサービス化してしまえば後の運営はずいぶんと楽になる。そういえば github 見て思い出したけど Firestore に移行するコードを書いている最中であったので書ききらなければ…

参加してくれた選手と配信ボランティアの皆さん、そして運営のみんな、本当にありがとう!またいつか、どこかの戦場で会おう!

次回のエントリはみーくんによる人はなぜ(無償で)イベントを企画するのかです。